04 「ただいま」が言いたくなる、まちの八百屋さん


かつて道玄坂と円山町に10軒はあったという八百屋さん。その中で現在でも続いている数少ないお店の一つが「金井青果」です。ご主人が20歳のころに始めたこのお店は、現在の場所に移ってきて30年が経ちますが、ここは当時、見番や下駄屋、乾物屋、豆屋などが立ち並ぶ商店街で、夜遅くまでにぎわっていました。

まちの景色は大きく変化しましたが、その中でも変わらない「人の繋がり」が円山のいいところだと奥さんの久子さんは言います。かつては、まちの旅館で近所の商店の子供たちを預かって、ご飯を食べさせてくれるような繋がりがあったとのこと。今では旅館はなくなり昔ながらの商店も少なくなりましたが、新しく入る個人店を気持ちよく受入れ、支え合ってまちをつくっています。

現在、久子さんと息子さん、お嫁さんで経営している「金井青果」。「スーパーと同じ商売はできない」と大事にしていることは、お客様と顔を合わせ、話を交わして商売をすること。周辺にクラブや民泊が増え、若者や外国人のお客様も増えましたが、お店で買った野菜で料理をして持ってきた外国人の方もいらしたとか。言葉は通じなくても、帰ってきたくなるような場所。「ただいま!」と言いたくなるようなこのお店は、円山町の人の流れを見守り続けています。


ガイド目次

01 神泉駅
02 カフェ・ド・ラ・フォンテーヌ
03 弘法湯石碑
04 金井青果
05 芸者階段
06 藤むら
07 裏渋谷通り
08 道玄坂地蔵
09 二つの料亭
10 ホテル街
11 国際的クラブWOMB
12 複合型ライブハウスShibuya O−Group
13 ミニシアター「ユーロスペース」
14 円山児童遊園地
15 国際文化理容美容専門学校
16 まちの元お米屋さん「円神米店」


「音で辿る円山町」は、青山学院大学総合文化政策学部鳥越研究室が2017年に企画編集した円山町を歩くためのガイドブックの内容を「音で辿る」ためのページです。「音」は徐々に増えていく予定ですのでお楽しみに!

まちミュージアムガイドブック東京都渋谷区神泉編
「渋谷の元」をさがして 古くて新しい神泉円山町を 歩くためのガイドブック
編集・執筆・イラスト:青山学院大学総合文化政策学部鳥越研究室
制作協力:つなぐNPO、渋谷区郷土写真保存会
発行:ACL青山コミュニティラボ(東京都渋谷区神宮前5-47-11青山学院アスタジオ2階)